報道における推定無罪の有名無実化
マスコミにおいては、一般名詞の「容疑者」を積極的に「犯人」の意味で使用する場合がある。例えば、「容疑者は銃を持ったまま逃走中」(銃刀法で拳銃の単純所持自体が厳罰にされている以上、「銃を持った」時点で既に犯罪者である)「容疑者の疑いがある男性」(そもそも容疑者とは疑いがあることを言う)といった記事がなされることもある。このような用法は明らかに誤用である。
また、「男を逮捕」、「女を逮捕」というように成人の被疑者に対して「男」、「女」の呼称で報道したり、ブルーカラー・失業者の被疑者に対して、「配管工の男を逮捕」、「無職男を逮捕」と報道したりするような差別的な表現もみられ、犯人視報道による人権侵害や職業に対する偏見が後を絶たない。
被疑者が連行される場面を放送することも犯人の印象を植え付けやすい。
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一部の新聞では、被害者の写真は丸、被疑者の写真は四角という区別がされることがある。『毎日新聞』元記者の小林弘忠によると、昭和30年代までは顔写真の形状と人物の善悪はあまり関連性がなかったが、昭和40年代に入り、新聞社は経済成長に合わせて読者の獲得を狙い社会面を中心とする増ページを行った。
社会面は顔写真を相当必要としたが、当時は鉛活字を1本1本拾って版を組む大組み処理で新聞が作られていた時代で、製版した親指の先ほどの顔の見分けは中々つきにくいので、形状で顔写真を間違えないよう区別するようになり、それが今日まで存続しているのではないかという。