五大国(ごたいこく)は、世界を政治経済・軍事の両面でリードする5つの大国のことである。五大国の内訳は時代によって変化してきた。
9世紀のウィーン体制下での五国同盟(1818年四国同盟より改称)加盟国(イギリス、フランス、オーストリア帝国、プロイセン王国、ロシア帝国)を五大国としている。
第一次世界大戦後はヴェルサイユ条約に基いたヴェルサイユ体制が国際関係の柱となった。戦前の列強のうち、敗戦国となったドイツ、オーストリアと共産化によって国際社会から孤立したソビエト連邦が排除され、戦勝国となった大日本帝国とイギリス、アメリカ合衆国、フランス、イタリア王国が世界五大国と称された。このうち、アメリカ合衆国を除く4ヶ国は、国際連盟発足時の常任理事国であった。
ドイツとソ連が国力を回復させて軍備を増強し、再び列強の一員に加わった1930年代後半になると、従来の「五大国」という括り方はされなくなっていった。
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現在では、第二次世界大戦の戦勝国のうち、国際連合の設立に中心的な役割を果たし、なおかつ常任理事国である「Permanent 5」と呼ばれるアメリカ合衆国、イギリス、中華民国(中華民国は、対立する中華人民共和国に常任理事国を譲って国際連合を脱退)、ソビエト連邦(ソ連崩壊後は、ロシア連邦に代わる)、フランスが「五大国」に相当するという意見がある。なお、これら常任理事国の母国語の、英語、フランス語、中国語、ロシア語は、国際連合の公用語である。またこの常任理事国のいずれもが核兵器を保有しており、核拡散防止条約にも調印している。
常任理事国ではないが日本とドイツは、高い経済力と地政学の要因から潜在的な大国と見られている。日本、ドイツ、インド、ブラジルは常任理事国に加盟しようとする動きがある。冷戦時代は、アメリカ合衆国とソ連が五大国の中でも抜きん出た存在だったが、ソ連崩壊後はアメリカ合衆国の一極化となった。強大な力を持つアメリカ合衆国は、国連の反対を押し切ってイラク戦争に突入するなど従来の五大国のパワーバランスは変化しつつある。
G8の初期メンバーであり、G8の中でも高い経済力を持つ民主主義国家である日本、ドイツ、アメリカ合衆国、イギリス、フランスをもって五大国と呼ぶことがある。現在でも核を保有する常任理事国を五大国とするP5を真の五大国とするか、戦前戦後問わず力の強い国を5大国とするG5(G8)を真の五大国とするかで争いがある。
統一前のイタリアでは有力な都市国家をさして五大国と呼んでいた(フィレンツェ共和国(メディチ家)、ミラノ公国、ヴェネツィア共和国、ローマ(ローマ教皇領)、ナポリ王国)。